5月度自分史教室=私の原稿は「足立美術館」

(我が家のみかんの木、今満開です。)

5月度は、私の作品発表でした。今回は添削前の作品をまな板に載せ全員で感想を出し合いました。

「総花的だ」。「もっと焦点を絞って書いたら」。など沢山の批評を頂きました。私は議員の時の癖がものを書くといつも出てきて出張レポートのようになります。みなさんのご意見を踏まえて少し推敲した作品をご紹介します。お読みください。そしてご意見などお寄せ下されば幸いです。

足立美術館

               大本芳子

 平成六年四月、所用で安来市へ行きました。安来市といえば、1番に挙げられるのは、足立美術館です。

 足立美術館は、駅からタクシーで三〇分のところにあります。古戦場月山を借景に1万三〇〇〇坪を有する美術館です。個人美術館とは思えない、いや!個人美術館だからできる贅沢さが、かえってカルチャー的雰囲気を盛り上げています。まずは壮大なスケールに圧倒されました。

 「庭園もまた一幅の絵画である」これは足立美術館創設者足立金康氏の言葉です。玄関を入り、歩を進めるたびに広がる閑雅な風情は、館内の日本画と相まって私の心を静へと誘ってくれます。

 枯山水庭、白砂青松庭、苔庭の中に点々と淡いつつじが咲き、窓がそのまま額縁となり一枚の絵画のようです。

 「日本庭園をお楽しみいただいた後は二階に上がって日本画の美をご覧ください」という案内板が心憎い。胸をドキドキさせながら横山大観特別展示館へと進みます。

 この特別展示館には、横山大観の初期から晩年までの一三〇点の大コレクションがありその中から常時二〇点余りが陳列されています。美術品保護のためケース内は、二四時間完全空調です。さらに鑑賞者の出入りによって照明が点滅する自動調光など、最高の管理がされています。私は今まで数多くの美術館を歩いてきましたが、これには驚きました。

 館内には横山大観をはじめとし、近代日本画壇の巨匠たちの作品が、一三〇〇点収蔵されていますが、私が最も気に入ったのは、川端竜子の『愛染』と題する作品です。

 愛染という言葉の意味は、溺愛とか煩悩を表す仏語だそうですが、幾重にも重なり浮かぶもみじの紅の中、夫婦愛を象徴する番のオシドリが互いに気遣いながら、遊泳する軌跡が描かれています。オシドリの表情がなんとも言えません。
二時間ではとても館内を回りきることはできません。陶芸館、童画展示室は、次回にまわすとし、素通りしました。今度は仕事の合間ではなく一日ゆっくりかけて庭園も鑑賞したいと思いました。

 足立美術館は、時間を忘れさせ、見る人をとてもリッチな気分にしてくれる美術館です。帰る直前に飛び込むようにして入った喫茶室で食べた抹茶ムースのおいしかったこと。おかげでロッカーに荷物を忘れ、引き返して一電車遅れてしまいました。

旅暮るる湯気たつ粽買ひにけり   芳子


5月度自分史教室=私の原稿は「足立美術館」」への2件のフィードバック

  1. 田渕紀子

    自分史での原稿とは少し違った感じでした。そしてこの文章を読んでもう一度足立美術館に行ってみようという思いを強くしました。大本さんの原稿をたどって見ようと思いました。そして私も同じ思いをするかしら。私はまた違うたどり方をするかしらと、少し楽しみにしています。
    秋、紅葉の時期に訪れようと思っています。
    楽しい自分史を有難うございました。

    1. 大本芳子 投稿作成者

      お読みいただきありがとうございました。先の作品(教室へ提出した推敲前のもの)と比べていかがでしたかしら?

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